血管外科医 笹嶋唯博 MD,PhD. Tadahiro Sasajima MD,PhD.

足趾壊疽は血管移植手術により確実に下肢が救済されます。

糖尿病壊疽に対する血管移植手術は、足首以下(足の甲または足の裏)の
太さ1mm前後の細い動脈に血管が移植されます。
糖尿病・維持透析例の足趾壊疽の詳しい説明はこちらをご覧ください。

トピックス

急性動脈閉塞症の治療

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    図1
  • A:左下肢急性塞栓症
  • 78才、女性。左下肢塞栓症による急性血行障害。
    発症後4時間経過し、左下肢は高度の疼痛で発症し、知覚麻痺、運動麻痺を発生し、左下肢全体が高度のチアノーゼを呈する。

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    図2
  • B:急性塞栓症の手術で摘出された血栓
  • 64才、男性。塞栓症の手術で摘出された血栓。

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急性動脈閉塞症は下肢動脈が突然閉塞し、重症虚血を発生して、緊急に血行再建術をしなければ下肢は救済できません。
塞栓症と血栓症があり、前者は下肢動脈自体には病変がなく、心臓や大動脈から遊離した血栓(血の塊)が動脈を塞ぎます。後者はもともと下肢動脈に病変があり、それがもとで下肢動脈に血栓を作って動脈を塞ぎます。
血栓の大きさにもよりますが、10mmの大きさの血栓が太ももの付け根の動脈を詰まらせた場合には前者の方が重症で6~8時間以内に血流を再開できなければ下肢は膝上から切断になります(A)。

急性動脈閉塞でも閉塞した動脈を迂回して細い血行路が温存され、緊急手術をしないのに切断を免れることがあります。
血栓症ではもともと動脈病変があるため側副血行路が発達していることがあり、そのため血行障害の程度が軽くなり、数日を経過すると逆に血行障害が改善に向かいます。これは急性動脈閉塞症の慢性化といわれ、もはや緊急手術の必要はありません。急性動脈閉塞症と診断されてから数週間経過しても足が壊疽にならない例がそれです。

2012〜2017年までの4年半の治療成績

4年間で全国から来院された342人、401肢に下肢救済手術を行いました。

※数値は例数

北海道
1
青森県岩手県
31
宮城県山形県
12
福島県
2
新潟県富山県
12
埼玉県群馬県
232
茨城県千葉県
555
江戸川区東京他区
83109
神奈川県
11
山梨県静岡県
27
愛知県岐阜県
51
三重県奈良県
21
大阪府兵庫県
111
岡山県広島県
21
愛媛県
2
大分県長崎県
11
鹿児島県
1
沖縄県
2
シンガポール
1
342例の内訳
切断
回避率
手術
死亡率
閉塞性動脈硬化症(ASO) 303 94% 2.4%
糖尿病 257
(85%)
100% 0
血液透析 211
(70%)
100% 0
バージャー病(TAO) 8 100% 0
膠原病随伴血管炎 11 100% 0
膝窩動脈外膜嚢腫
・捕捉症候群
6 100% 0
末梢動脈瘤
・膝窩動脈瘤
4 100% 0
血管外傷 4 1例 0
急性動脈閉塞
(血栓症・塞栓症)
6 100% 0
虚血重症度(419肢)
間欠性跛行 66(16%)
安静時疼痛 31(7%)
小潰瘍壊疽 159(38%)
広範壊疽 163(39%)