糖尿病壊疽に対する血管移植手術は、足首以下(足の甲または足の裏)の
太さ1mm前後の細い動脈に血管が移植されます。
糖尿病・維持透析例の足趾壊疽の詳しい説明はこちらをご覧ください。
閉塞部(→)にカテーテル治療が行われた。足底動脈(赤→)は血管移植手術のための 重要な血管。
カテーテル治療後足底動脈を含めて全て閉塞
カテーテル治療後、壊疽が急拡大したが、血管移植手術による下肢救済が不可能になってしまった例
血管移植手術。足の裏の血管(足底動脈)へ血管移植。(赤→)移植血管。
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膠原病で足壊疽を発生することがあります。
これは膠原病に伴う血管炎が主に足関節周囲の動脈を閉塞させるために起こる足部血行障害によるものです。
足部への動脈が閉塞して足趾壊疽を発生するものには、全身性硬化症(強皮症)、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、結節性多発動脈炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、混合性結合組織病などが挙げられます。
動脈閉塞病変は下腿下1/3から足部の血管に発生し、いずれも同じような閉塞病像を示します。これらは膠原病関連血管炎といわれますが、今は高安動脈炎、バージャー氏病、ベーチェト病、ヘノッホ・シェーライン紫斑病など共に血管炎症候群として包括されています。
これらに対し近年、カテーテル治療が無定見に行われ足趾壊疽を拡大させて大切断に至っている悲惨な例が多数経験されます。
この疾患はストレスにより高度の血管攣縮を発生します。これはレイノー現象といわれ、安易に侵襲を加えることは大変危険です。
それを知らずにカテーテル治療が行われている現状がありますので、動脈閉塞症の原因が膠原病あるいは疑いと診断された場合、カテーテル治療は決して受けるべきではありません。カテーテル治療の血管傷害による急性動脈血栓症で手術ができなくなってしまう例があります(図1A,B,C)。現状は医師の知識が不十分で阻止できない状況にありますので患者さん自身が誤った治療は受けないように十分注意するしかありません。
血管炎による動脈閉塞に対してはバイパス手術(血管移植手術)が第一に選択されるべきで、これにより壊疽は容易に治癒に向かいます(図2A,B,C)。多くは血管移植手術が可能ですが、図2の例の様にカテーテル治療で血管が傷害された場合は救済できない例もあり得ます。また外科医と言ってもこの手術ができるとは限りませんので、その場合には他を探す必要があります。当方で手術を行う患者さんのほとんどは前医でカテーテル治療を受け、それが上手く行かずに切断宣告を受け、患者さん自身が救肢手術を求めて来院します。
※数値は例数
大切断例数 | 5年救肢率 | 手術死亡率 |
28 | 99.4% | 3.8% |
大切断 例数 |
||
閉塞性動脈硬化症(ASO) | 449 | |
---|---|---|
糖尿病 | 366 (73%) |
24 |
血液透析 | 280 (56%) |
|
バージャー病(TAO) | 10 | 0 |
膠原病随伴血管炎 | 14 | 1 |
膝窩動脈外膜嚢腫 ・捕捉症候群 |
7 | 0 |
末梢動脈瘤 ・膝窩動脈瘤 |
6 | 0 |
血管外傷 | 4 | 1 |
急性動脈閉塞 (血栓症・塞栓症) |
14 | 2 |
間欠性跛行 | 81(13%) |
---|---|
安静時疼痛 | 45(7%) |
小潰瘍/壊疽 | 214(35%) |
広範壊疽 | 274(45%) |
北海道 |
---|
1 |
青森県 | 岩手県 |
---|---|
3 | 2 |
宮城県 | 山形県 |
1 | 2 |
福島県 | |
3 |
新潟県 | 富山県 |
---|---|
1 | 2 |
石川県 | |
1 |
茨城県 | 栃木県 |
---|---|
10 | 1 |
群馬県 | 埼玉県 |
3 | 42 |
千葉県 | 神奈川県 |
78 | 25 |
江戸川区 | 東京他区 |
115 | 151 |
山梨県 | 静岡県 |
---|---|
3 | 11 |
愛知県 | 岐阜県 |
9 | 2 |
三重県 | 奈良県 |
---|---|
2 | 1 |
大阪府 | 兵庫県 |
14 | 2 |
岡山県 | 広島県 |
---|---|
3 | 2 |
島根県 | |
1 |
香川県 | 愛媛県 |
---|---|
1 | 2 |
大分県 | 長崎県 |
---|---|
1 | 1 |
鹿児島県 | |
1 |
沖縄県 |
---|
3 |
中国 |
---|
1 |
シンガポール |
1 |