血管外科医 笹嶋唯博 MD,PhD. Tadahiro Sasajima MD,PhD.

カテーテル治療は血行障害の最終的な治療法ではない

カテーテル治療は血行障害の最終的な治療法ではない

血行障害の最終的な治療法はカテーテル治療ではなく、バイパス手術が第一選択の治療法です。 血管移植手術が各国とも受け入れられ、拡がりつつあります。
“カテーテル治療が上手く行かなかった“あるいは”再三にわたりカテーテル治療が行われたが、もはや改善の見込みがない“などの理由で下肢切断の宣告がなされていますが、これは大変重大な間違いです。血行障害は下肢でも上肢でも1940年半ばからバイパス手術が第一選択の治療法として確立され歴史的に血行障害の治療は血管外科が担ってきました。血管外科医はバイパス手術とカテーテル治療を病状により使い分けますが、循環器内科医はカテーテル治療しかできません。もしカテーテル治療を最終治療として患者さんに説明し、切断を奨めるとしたら、これは患者さんへの情報の閉鎖に他なりません。 血管移植手術(バイパス手術)を上手く実施できる血管外科医は多いとは言えません。この状況を改善させるためこのほど日本血管外科学会が中心となってバイパス手技の向上のためのセミナー開催が実現し、アジア諸国の血管外科医がこの5月末に羽田のホテルに集合します。日本から発信されたバイパス手術の治療成績が韓国、中国、台湾などでは既に高く評価され、手技の習得に熱心ですが、さらに広くアジア全体に拡がろうとしています。一方、米国やヨーロッパではバイパス手術とカテーテル治療のどちらが真に有効かを決着させるため膨大な臨床試験(BEST CLI試験)が行われ、本年12月にその結論が出される予定です。