糖尿病足壊疽にみられる化膿性骨髄炎・関節炎
糖尿病足壊疽では皮膚皮下組織の感染(蜂窩織炎)と共にしばしば足根骨や趾骨の骨髄炎を併発します。血液検査以外に足部のX線撮影像から診断されますが、糖尿病では感染抵抗性の低下があり、抗生物質による骨髄炎の治療は効果が低く、趾骨は摘出が可能であることから摘出することで治りますが(A)、趾が壊死に陥っていない場合や趾関節炎の場合には骨の部分切除や趾関節切除を行って趾を残します。
これに対し足関節形成骨(距骨、踵骨、脛骨遠位端)および足関節は体を支える重要な構造です。これらの骨髄炎や化膿性足関節炎ではこれらに対する感染治療が難しく、下肢救済が不可能になる重大な合併症です(B,C,D)。そのため足部の広範壊疽で足首近くに及ぶ感染がある場合にはMRI画像からこれらの骨と足関節の異常を注意深く診断します。
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- A:趾骨髄炎による治癒障害
治療前(上)と末節骨摘除後(下)
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- B:舟状骨骨髄炎 MRI
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- C:脛骨骨髄炎 MRI
救済不可能で膝上切断
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- D:ショパール切断にて下肢救済
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